ちいさき花巻頭

2019年2月の記事一覧

2019年03月園長コラム

3月になり、日々暖かく自然が春の訪れを感じさせてくれます。木の枝の小さなつぼみが膨らみあと少しで春本番が来ると表しているしるしです。

3月は卒園の月です。ここで3年余りを過ごした年長組の子どもたちは、この園を離れて新しい出発の時を迎えます。日本のことわざで「三つ子の魂百まで」とある通り、この幼い時期はただ大きくなるのを待つのではなく、人生の土台を築く大切な時期なのです。聖園幼稚園とその職員を信頼し、お子様にとってこの大切な時期に幼稚園に預けてくださった保護者の皆様に感謝しています。2月に行われた生活発表展では、年齢ごとの子どもたちの成長に皆さんも気づかれたと思います。年中児・年少児にとってはこれからの成長がとても楽しみです。

卒園してこれから小学校に入学する子どもたちとそのご家族にとって聖園幼稚園で学んだこと、つまり〝神様を大切にすること〝〝神様がおつくりになった人を愛すること〝はこれからの歩みの力になると思います。
卒園する子どもたちも園に残る子どもたちも、これからも本当の幸せに満ちた人生に恵まれますようにお祈りしています。

園長 アルナルド・ネグリ

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2019年02月園長コラム

2月5日は1597年に長崎で処刑された日本二十六聖人の記念日です。豊臣秀吉の命で都と大阪で宣教師と信徒24人が捕らえられ見せしめのために引き回された後、厳しい寒さのなか処刑地の長崎へ向かいました。途中で2名が自ら申し出てそれに加わり、26名が全行程580キロにも及ぶ道のりを連日裸足で歩かされました。この中には14歳のトマス小崎とその父ミゲルも含まれていました。長崎へと向かう途中の1月19日に尾道を出て三原城に泊まった一行の中のトマス小崎は牢番の親切で紙と筆を手に入れることができ、母と幼い兄弟に向けて手紙を書いています。この手紙は父ミゲルに託されましたが京都に届けるすべもなく、父ミゲルはこれを懐に入れたまま殉教しました。その後血に染まった手紙がミゲルの遺体から見つかりました。この手紙は当時長崎にいたポルトガル人司祭がポルトガル語に訳しローマのイエズス会本部に送り、今でも保管されています。14歳のトマス小崎はこの手紙の中で永遠の命の信仰をあらわし、犯した罪を深く悔い改め、勇気をもって死に向かい、再び天国で会えるように信仰を保つよう母を励ましています。  この26名は日本で初めての殉教者で、16世紀から18世紀の半ばまで日本でキリストのために命を捧げた多くの殉教者の初穂となったのでした。状況が変化し、信仰の自由が認められているこの現代社会で殉教者のことを思い起こし、学ばなければならないことが多くあります。トマス小崎は手紙に「人々からのどのようなことに対しても忍耐し、大きな愛徳を持つようにしてください。」と書いています。これは「敵であっても隣人を愛しなさい」というイエスの教えの実践をあらわしているのです。様々な場面で愛をもって接することが難しい時でも、「人を愛する」こと。この愛に満ちた生き方は、今の生活の中に本当の幸福をもたらし、また天国の永遠の幸福を約束するのです。この愛の教えは子どもを育てる上で大切な核となるのです。

今、園児たちは生活発表展に向けて絵を描いたり粘土などで制作物を作ったりしています。私もみんなの頑張っている姿をクラスに入って見ています。作ることによって子どもたちは自分自身をその作品に表現しています。また作業を進めていく中でハサミや縫い針を使うことは自分の集中力を養うことにも通じます。今年も生活発表展を楽しみにしています。 

園長 アルナルド・ネグリ

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