ちいさき花巻頭

園長コラム

2019年08月園長コラム

 去年7月の大雨の日から1年たちました。ちょうど7月7日に改修を済ませた家の祝福のためにブラジル人の家族に呼ばれて三原の本郷町に行きました。近くでは数年前に新しく建築されたであろう何軒もの家も被災していました。その辺りは土地が低く洪水の時には2メートルを超えてすべての家の1階の天井近くまで水が上がってきたそうです。何軒かの家はいまだに被災したまま放置されていました。

 天災は人間の弱さと、人間や社会の限界を私たちの目の前に突きつけます。この地域でもまた被災した他の地域でも多くのボランティアの協力によって復興が進んでいます。ここに、人々にとって「助け合う」ということの大切さがはっきりと示されています。人は一人で生きることができません。私たちにとっては、生きるためにそれぞれの力を合わせることが必要です。イエス様は教えの中で「互いに愛し合いなさい」、「人を許しなさい」、「与えなさい」と強調しています。人にとってお互いに受け入れることや、尊敬しあうことはみんなの生活を支えるために欠くことの出来ないものだからです。だから子どもたちを育てる上でこの価値観を伝えていくことは重要なことだと考えています。

 人の限界に対して人間同士の協力は大切ですが、それでも足りないこともあります。この事実を伝えるためにイエス様は「盲人がもう一人の盲人の道案内をすることが出来ません」とおしえて います。私たちを助けるために神の子が人間になってくださいました。神様の助けによって、人は地上の生活においての問題を解決する力を得ることができ、また自分の永遠の運命に関する光を得ることができるのです。

 8月15日は教会で「マリア様の被昇天」の祭日になります。マリア様は地上の生活を終えた時に魂も身体も天国にあげられました。この出来事は、イエスの復活と並んで、人生の目標は天国に入ることであり復活することであるということを示しています。そして、8月22日は「天の元后聖マリア」の記念日です。天にあげられたマリア様が地上にいる私たちを母の心をもって守ってくださるという意味です。様々な危険にさらされている私たちは常にマリア様の保護に頼ることができるのです。だから、不安に思ったり心配するよりも、マリア様への「わたしたちをお守りください。」というお祈りを大切にしていきましょう。

園長 アルナルド・ネグリ

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